クラウドって、どこから手をつければいいの?
「クラウドの時代」と言われても、何から始めればいいかわからないのが情シスの本音ではないでしょうか。
「AWSもAzureもGCPも名前は聞いたことがある。でも、うちの会社で何を使っているかよくわからないし、ベンダーに任せているから自分で勉強しなくてもいいか…」
正直、私自身もずっとそう思っていました。
情シスの仕事は幅広く、クラウドだけを勉強している余裕なんてない。日々のヘルプデスク対応、社内システムの管理、セキュリティ対応…やることは山積みです。
でも、ある日気づきました。「クラウドを知らない情シスは、気づかないうちに損をしている」と。
この記事では、私が実際にAWSを学び始めて感じた「情シス担当者がAWSを学ぶべき理由」を3つ、現場目線でお伝えします。
実はここが問題:クラウドを「知らない」と何が困るのか
知らないと、判断できない。判断できないと、ベンダー任せになる。
社内でSaaSツールを導入するとき、基幹システムをクラウドに移行するとき、情シスは意思決定に関わることが増えています。
でも、クラウドの仕組みを知らないまま会議に出ると、こんなことが起きます。
- ベンダーの説明が「なんとなくわかった気がする」で終わる
- 見積もりが適正かどうか判断できない
- セキュリティリスクを自分でチェックできない
これは情シスの怠慢ではなく、学ぶ機会がなかっただけです。だからこそ、今から少しずつ知識をつけていくことに意味があります。
情シスがAWSを学ぶべき理由3つ
理由① 国内企業でのシェアが圧倒的。現場でAWSに出会う確率が高い
クラウドサービスには、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure(アジュール)、Google Cloud Platform(GCP)の「3大クラウド」があります。
では、なぜAzureやGCPではなくAWSなのか。
答えはシンプルで、日本国内でAWSのシェアが最も高いからです。
クラウド市場の調査データでも、AWSは国内外で継続的にトップシェアを維持しています。つまり、取引先・委託先・グループ会社がAWSを使っている確率が高く、情シスとして関わる機会が最も多いのがAWSということです。
もちろん、AzureはMicrosoft 365 との親和性が高く、Office製品を使っている企業に向いています。GCPはデータ分析やAI領域で強みを持っています。それぞれに得意分野があります。
ただ、「まず1つだけ学ぶなら何か」という問いへの答えとしては、「現場で一番よく出てくるAWSから始めるのが合理的」です。
私自身、AWS Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー:AWSの入門資格)を取得してから、ベンダーとの会話の解像度が明らかに上がりました。
理由② ベンダーに「言いくるめられない」ようになる
「よくわからないけど、プロが言うなら大丈夫か」は、情シスにとって最大のリスクです。
クラウドの提案を受けるとき、ベンダーはたくさんの専門用語を使います。
- 「このリージョン(地域ごとのデータセンターの拠点)に配置すれば冗長性が確保できます」
- 「IAM(AWSのアクセス権限を管理するサービス)でロールを分けておけばセキュリティは問題ありません」
- 「S3(Amazon Simple Storage Service:クラウド上のファイル保管サービス)に静的コンテンツを置くとコストを最適化できます」
これらの言葉を聞いたとき、「それって本当に適切な提案なのか?」を判断できますか?
AWSの基礎を学ぶと、こうした専門用語の意味がわかり、「それは本当にうちの規模に必要ですか?」と自信を持って質問できるようになります。
過剰なスペックや不要なオプションを見抜けるようになるのは、コスト削減にも直結します。情シスの腕の見せ所です。
理由③ キャリアの選択肢が広がる
「情シスはコストセンター」という時代は、終わりつつあります。
クラウドを使いこなせる情シス人材は、社内でも市場でも価値が上がっています。
AWS Cloud Practitioner を皮切りに、AWS Solutions Architect Associate(SAA:AWSのシステム設計を問う中級資格)などの資格を取っていくと、転職市場での評価も変わります。私自身、現在SAAを勉強中ですが、社内での会話の幅が明らかに広がりました。
また、クラウドの知識があると、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進役を担うチャンスも増えます。「言われたことをやるだけの情シス」から、「会社のIT戦略に意見できる情シス」へ、少しずつ変わっていけます。
解決策:まず「概念を知るだけ」でも十分
AWSは、実際に触らなくても「知っているだけ」で役に立つことがたくさんあります。
「クラウドを学ぶ=プログラミングが必要」と思っていませんか?そんなことはありません。
AWSには、入門レベルの資格として「AWS Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー)」があります。これは技術的な実装よりも、クラウドの概念・サービスの概要・コストの考え方を問う試験です。
つまり、「どんなサービスが存在して、何ができるか」を知るだけでいいのです。
ベンダーとの会話で困らない程度の知識は、この資格を目指して勉強するだけで十分に身につきます。私自身もこの資格から始めました。
今日からできる具体的なアクション
- AWSの公式サイトで無料アカウントを作る
AWS無料利用枠を使えば、お金をかけずにサービスを体験できます。まず触ってみることが大事です。 - AWS Cloud Practitioner の試験範囲を確認する
AWSの公式サイトや学習サービス「AWS Skill Builder(スキルビルダー)」では、無料の学習コンテンツが公開されています。まず試験の全体像を把握しましょう。 - ベンダーとの次の打ち合わせで「1つだけ」確認してみる
「このサービスはAWSのどの機能を使っていますか?」と聞くだけでいいです。答えを調べることで、学習が加速します。
難しく考えなくて大丈夫。知識は少しずつ積み上げるものです。
まとめ
情シス担当者がAWSを学ぶべき理由を3つお伝えしました。
- 理由①:国内シェアが高く、現場でAWSに出会う機会が多い
- 理由②:ベンダーの提案を自分で判断できるようになる
- 理由③:キャリアの選択肢が広がり、社内での立場も変わる
「クラウドは難しそう」と感じていた方も、まずは概念を知るところから始めれば大丈夫です。情シスの仕事にクラウドの知識は、これからの時代の「必須スキル」になっていきます。
一緒に、少しずつ学んでいきましょう。
